価値の価値観

美味しいものは、高い。いい服は、高い。

一概には言えないが、ある程度比例しているだろう。大切に育てられた国産の豚は外国産の豚肉よりも金額が高い。質のいい生地で作った服はそこら辺の大量生産品よりも金額が高い。当たり前だ。モノの値段はそのモノの価値によって決められるのだから。それに、例えば三ツ星レストランのシェフが作った、というだけで金額は上がるし海外の有名デザイナーが作った洋服だって、高い金額で売れる。金額は、モノ自体の価値とは別に、それを作る人間の価値までも比例している。仕方ない。質のいいものには、それなりのお金を払うべきだと私は思う。思っている。思っていた。思っていたがここ最近、価値とお金が無関係にあるモノの存在に感動してしまった。

本だ。

私は、本というのはかなり平等に価値が与えられているんじゃないかと思う。本の値段は、作者ごとにはほぼ変わらない。本の値段が1番大きく関わるのは、外見だ。サイズ感や表紙の分厚さ、中の紙の丈夫さなど、目に見える質で価値が上がるというのは他のモノと変わらない。

しかし、大ヒットし映画化した小説や芥川賞を受賞するような作品を書く作家の本と、正直あまり名の知れていない、やっと文庫化までたどり着いたような作家の本でも、金額はほとんど同じだ。文庫本になってしまえばもう、本当に値段はほぼ横並びだ。なんて有難い話なんだろうか。文化的なモノの価値を金額によって決めない。なんて綺麗な話なんだろうか。面白いか面白くないかは自分で決めていいと、名前が売れているからって質がいいわけではないと、そう言ってくれている気がしてならない。文化的なモノへの価値観は、自分のものさしで計ってしまえばいい。小説でも漫画でも、自分が好きなモノは好きでいいのだ。